平成19年4月29日 赤旗新聞日曜版


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5月20日はガマンしない日
働く若者が集う 東京・明治公園
月340時間も残業 何もかも失った

 仕事のことで、何か我慢していませんか。言いたいことありませんか。
 その話、5月20日、東京・明治公園に持っていきませんか。
 「まともな生活」「人間らしい働き方を」求めて全国の青年が集います。
 まずは、この青年の話を聞いてください。
 那須絹江記者

   土木技術者の男性(31歳大阪)が語る
 みんなに聞いてほしい話があるんだ。1カ月に340時間の残業をして、人生が大きく猛ってしまった私の話を。
 01年春、大学院を修了した私は、「建設技術研究所」に就職した。国や自治体が発注する建設事業の計画・設計を請け負う会社だ。私の担当は「ダム」だった。
 小学生のときに建設工事の現場を見に行ったことがある。巨大な建物をつくりだす様子に圧倒され、あこがれた。
 入社まもなく終電軍で帰る生活になった。たまに徹夜もあったが、それほど気にならなかった。好きな仕事だったし、体力もあった。
 入社2年目。面倒を見てくれていた上司が体を壊した。その後は48時間働いて3時間寝る生活だ。もう頭が働かない。だけど、計算ミスなんて絶対に許されない。そのブレッシヤーがきつかった。
 そんなとき、名古屋にいる祖父が危篤になった。日帰り帰省を申し出たが、許されなかった。祖父とは就職してからずっと会っていなかったから、最後にどうしても会いたかった…。
 悔しかったが、その後も納期に間に合わせることだけを考えて死に物狂いで働いた。02年、私は年間4干時間働いた。

   労災なのに解雇
 年末ごろから体調に異変が起きた。朝、出勤しようとすると、激しく嘔吐(おうと)した。治まってから出勤すると「遅刻だ」と怒鳴られた。
 大勢の社員がいる忘年会の席で、上司に「お前はクズだ」「犬だ」となじられた。犬ってどういう意味だ?反論する気力もなく、トイレで吐き続けた。
 医者に6カ月の療養を勧められたが、会社は「1カ月以上休んだら辞めてもらう」と。結局、ーカ月で仕事に戻った。
 そのころ、「労災保険制度」を知った。申請しようとすると、会社側は血相変え、「会社に居られなくなってもいいのか」と妨害した。
 労災を申請すると、労働基準監督署が調査に入る。会社は労働実態を外部に知られたくなかったんだ。
 労働組合に相談したが、逆に圧力がかかった。私は一人で会社と交渉を続けた。
 やがてうつ病になって、自宅療養と復職を繰り返すようになった。
 05年12月、会社は、私を重責解雇(法律上の懲戒解雇)にした。"出勤可能なのに勝手に仕事を休んだ"というのが理由だ。
 退職金もない。膨大な残業代も時効の壁にはばまれ、取り戻せたのは60万円だけだった。
 何よりも、重責解雇の経歴によって、もうこの業界で再就職はできないだろう。土木技術者としての夢は断たれた。
 私だけではない。次々と先輩が心身を壊して会社を去っている。
 怒りと悔しさが私を突き動かす。私に残されたのは、たたかう道だけだ。会社に損害賠償と解雇撤回を求めて裁判を起こした。
 たたかう仲間たちとの出会いが私を力づけてくれる。
 5月20日、私は明冶公園に行く。全国から集まるみなさんと会うために。
   ◇
 男性のホームページ
 http://5982.biz

   全国青年大集会
 青年の雇用問題をアピールしてきた全国青年大集会はことしで4回目。
    ☆
 5月20日 (日)午後1時スタート 東京・明治公園(JR「千駄ヶ谷」駅、地下鉄大江戸線「国立競技場」駅徒歩5分、地下鉄半蔵門線「外苑前」駅徒歩7分)
 3時から渋谷の街をアピールウォークします。詳しくは実行委員会 03(5395)5395


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